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解雇予告通知書を活用して会社都合退職をスムーズに進める!

Q. 現在、解雇したいと考えている社員がいるのですが、手続きをどのように進めればいいでしょうか。 以前に解雇を行った際には就業規則通り手続きを進めたのですが、後日、労働組合(ユニオン)から連絡があり、問題があるとさんざん指摘され、結局解雇を撤回せざるを得なくなったことから、なるべく後々トラブルとならないような方法を教えていただければと思います。


A. 解雇の手続きには労働基準法および就業規則に準拠するなど、踏まえるべき点が多々あるのですが、その上で解雇を行ったところで、後日、裁判などの場において解雇には根拠が乏しく、社会的に認められないとして効力を否定される事例は多々あります。 これは「解雇権濫用法理」といい、会社が解雇を行うことを制約する暗黙のルールとなっていましたが、近年、新たに制定された労働契約法という法律により、「解雇は、客観的に合理的理由があり、社会通念上相当でなければ認められない」と明確に定められることとなりました。一言で言えば、よほどのことがない限り解雇は認められません。 もちろん、解雇を行うことができる場合はあり、手続きの際には下記の書類を用いると、流れがスムーズになり、のちのちのトラブル発生を予防する効果はあります。


 

いつ交付するのか

解雇予告通知書
解雇通知書

解雇予告通知時に対象者に交付
解雇通知時に対象者に交付(解雇予告日数を短縮し、即時解雇を行う場合)

解雇予告手当支払通知書

解雇通知時に交付(解雇予告日数を短縮し、即時解雇を行う場合)
有給の求職休暇の付与

解雇予告手当受領確認書

解雇予告手当支払い時に交付、受領

 

1.解雇予告通知書(解雇通知書)作成の段階から成否の見通しを立てておくこと。


① 解雇予告通知書(解雇通知書)の作成と交付
会社が従業員を解雇しようとする場合、「会社に来なくていいよ」と口頭で一言伝えれば、一応、解雇はその効力を生じることとなります。 しかし、これでは、何月何日をもって解雇とするのか、および何故解雇とするのかという意思表示が不充分であり、さらに何月何日に解雇の通知を行ったかといった記録も残りません。口頭で一言伝えただけでは、後日退職の手続きをする際にトラブルとなる要素が多数あるのがお分かりかと思います。 また、解雇を通知される従業員の立場としてみれば、これまで勤めてきた職場を離れるわけでして、口頭で一言伝えられただけではあまりに軽い扱いで、納得しがたい場合もあるのではないでしょうか。そのため、解雇予告を行う際は必ず書面で、解雇予告通知書を交付して行うべきです(即時解雇の場合は解雇通知書)。

解雇予告通知書(解雇通知書)には以下の事項の記載が必要となります。
・対象者の氏名
・解雇日
・解雇理由
・解雇予告通知日(解雇通知日)
・会社名、代表者職氏名

② 解雇理由を明確に説明することができるか
いざ解雇をしようというのに、解雇理由が第三者に説明できるようなものではなく、解雇(予告)通知書の作成を行う際に、記載に躊躇してしまうケースが多くみられます。 この解雇理由を踏まえずに、「あいつは仕事ができないから」と気軽に解雇をなさる社長さんも多いのですが、従業員としての身分は生活の基盤であることから法律で手厚く保護されており、労働基準法に基づく解雇(予告)の手続きを踏まえたところで、解雇が有効となるわけではありません。過去の裁判例および労働契約法によると「解雇は、客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、その権利を濫用したものとして無効とする」とされています。つまり、解雇を行おうとする場合、就業規則など解雇の規定に該当し、もはや従業員としてやっていけないという事実が明確にあり、所定の手続きを経て行うのでなければ、認められないということになります。 これらのことから、解雇理由が明確に説明できないのであれば、解雇は無効とされる可能性が高いので、そもそも解雇を行うべきではないでしょう。



2.即時解雇にこだわって、解雇の手続きをスムーズに進めるテクニックとは。


① なぜ、会社は即時解雇にこだわるのか
会社が、従業員の解雇を行う際には、懲戒解雇につき労働基準監督署長の認定を受けた場合などを除き、解雇しようとする日の30日前に予告通知を行わねばなりません。 これを短縮しようとする場合、短縮しようとする日数(最大30日)分の平均賃金を支払うことにより、その日数を繰り上げて解雇することができます。 この短縮しようとする日数分の平均賃金を指して解雇予告手当といい、即時解雇(解雇通知と同時に解雇)をしようとする場合には、30日分の解雇予告手当の支払いが必要となります。 会社がわざわざ30日分の解雇予告手当を支払い即時解雇を行おうとするには、いくつかの事情が考えられます。 まず、解雇を申し渡した社員が会社にいるのは、本人にとって居づらく、会社として仕事を任せづらいということ。また、他の社員に会社の悪評を立てるおそれがあること、そして、解雇予告手当を一種の退職金と考える面もあります。

② 解雇予告手当支払通知書と解雇予告手当受領確認書を活用し、解雇の手続きを有利に進める
一連の解雇手続きを進めやすくするために、戦術的に解雇予告手当を支払い、即時解雇とする手段も考えられます。対象者への解雇通知(解雇通知書の交付)と同時に解雇予告手当(解雇予告手当支払通知書の交付)をその場で手渡しし、当人が受け取るのであれば、解雇予告手当受領確認書をその場で受領します。 解雇予告手当の支払いと同時に退職金(退職金計算書の交付)の支払を通知することで、対象者に向けさらにメリットを提示することができ、解雇予告手当受領確認書を書きやすくなるでしょう。 実は、対象者が解雇予告手当を受領することで、会社による解雇の意思表示を受け入れた(異議なく受領した)とできる余地が生じるのです。対象者が「考える時間が欲しい」などと言いその場で受領しない場合はいずれにせよ、即時解雇に解雇予告手当の支払いは必要となりますので、後日、対象者の銀行口座に振り込み、既成事実としてしまう場合もあります。 この場合は銀行振り込みの記録が残りますが、可能ならば解雇予告手当受領確認書を回収したいところです。 解雇予告手当を受領しただけでは解雇を認めたことにはならないとする過去の裁判例もありますが、解雇の効力を判断する上で、有利な材料となることは間違いありません。

解雇予告手当支払通知書には以下の事項の記載が必要とされています。
・対象者の氏名
・解雇日
・解雇予告手当の支払期日
・解雇予告手当の支給額(計算方法)
・解雇支払手当の支払い方法
・会社名、代表者職氏名

解雇予告手当受領確認書には以下の事項の記載が必要とされています。
・対象者の氏名
・解雇予告手当の受領日
・解雇予告手当を受領した事実
・解雇予告手当の受領額
・会社名、代表者職氏名



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