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解雇が有効とされる解雇理由とは?

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Q.最近、不当解雇という言葉を耳にしますが、もし、解雇を行って不当と言われないようにするには、会社としてどのような手続きを踏めばよいのでしょうか。また、解雇理由により解雇が有効あるいは無効となる条件を教えてください。
A.解雇とは、会社の申し出により、従業員との雇用契約を一方的に解除することをいいます。労働者保護の観点から解雇を行うことは各法律により厳しく制限されており、これを逸脱するものが労働者の立場からすると「不当解雇」ということになります。解雇は、その事由によって大きく、懲戒解雇、整理解雇、普通解雇の3種類に分けることができます。それぞれ、解雇理由により解雇が有効あるいは無効となる条件、および共通して解雇が制限・禁止される条件について下記に詳述しております。なお、労働基準法により解雇を行う際には30日前の解雇予告または期間短縮分の解雇予告手当の支払いが必要であり、それによらない解雇は、少なくとも解雇の通知後30日を経過するか、所定の解雇予告手当が支払われるまで無効とされます(解雇予告除外認定を受けた場合を除く)。

1.解雇が有効となる解雇理由とは?

① 懲戒解雇が有効となる解雇理由とは?

懲戒解雇とは、従業員が企業秩序に対する重大な違反行為を行った際に、一種の制裁罰として不利益および不名誉を伴う形で、雇用契約を解除(解雇)することをいいます。懲戒解雇を行うには、これをやったら懲戒解雇という運用上のルール(就業規則)が定められていて、従業員に周知されている状態でなければいけません。そのうえで、原因となる事由(トラブル)が発生した場合に、対象従業員の弁明を聴くなど手続きを経て事実を確認し、懲戒解雇とすることが「客観的に合理的な理由」があり、「社会通念上相当と認められる」場合に行った懲戒解雇が有効とされることになります。事由(トラブル)の内容と比べて懲戒解雇の処分が重すぎるとみられる(社会通念上相当と認められない)場合、解雇は無効とされてしまいます。過去の判例によると、およそ以下のような事由で懲戒解雇が認められています。

解雇理由 懲戒解雇が有効となる条件 懲戒解雇が有効となる可能性
社内において刑法犯に該当する行為を行った場合 従業員が社内での窃盗、横領、傷害などで逮捕され、有罪が確定した場合にはほぼ懲戒解雇が認められます。
職場の風紀、規律を乱す行為を行い、他の従業員に悪影響を及ぼした場合 従業員がセクハラ・パワハラのうち悪質なものを引き起こした場合、賭博行為や常態的な酒気帯びなどがあり、会社側の指導にかかわらず改善しない場合は、懲戒解雇が認められます。
故意または重大な過失により、会社に重大な損害を与えた場合 従業員が機密漏洩、その他災害または営業上の事故を発生させ、会社に重大な損害を与えた場合、会社側が必要な管理上の措置を執っていたことが立証できれば、懲戒解雇が認められます。
正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合 会社がタイムカードや出勤簿などで従業員の勤務管理を行うもとで、従業員がおよそ連続14日以上無断欠勤をし、出勤の督促に応じない場合には、ほぼ懲戒解雇が認められます。
遅刻・欠勤が多く、注意を受けても改まらない場合 会社がタイムカードや出勤簿などで従業員の勤務管理を行っており、相当期間にわたり遅刻や欠勤が頻発し、勤務に支障が出る状況でなければ懲戒解雇は認められません。
入社時に採用条件の要素となるような経歴を詐称した場合 従業員が入社時に採用の決定や入社後の処遇について、積極的に会社の判断を誤らせるような情報を提供していた場合には、懲戒解雇が認められやすい状況です。
会社に無断で他の仕事をした場合 最近はダブルワークが容認される傾向にあります。競合他社に就職している、社内風紀上適当でない仕事である、勤務に支障があるなどの状況でなければ懲戒解雇は認められません。
会社外における行動によって著しく会社の名誉や信用を傷つけ、または業務に重大な悪影響を及ぼす行為があった場合 職務との関連性が考慮されます。原則的に、従業員が社外での飲酒運転により重大事故を起こした場合、麻薬や覚醒剤の所持使用、詐欺、恐喝、放火、殺人など、相当の事案でなければ懲戒解雇は認められません。
② 普通解雇が有効となる解雇理由とは?

普通解雇とは、労働契約の目的となる従業員の業務遂行が行われておらず、今後も期待できないこと(労働契約の債務不履行)、または、その従業員を企業から排除しなければならない程度の支障をきたしていること(客観的に合理的な理由の存在)を理由に、会社の申し出により雇用契約を解除(解雇)することをいいます。普通解雇を行うには必ずしも就業規則や労働契約書にこれをやったら解雇という運用上のルールが定められている必要はありませんが、「労働契約の債務不履行」を理由に解雇を行おうとするのであれば、労働契約による義務の内容が具体的に定められている方が立証が容易(=解雇しやすい)ということになります。あるいは「客観的に合理的な理由の存在」により解雇を行おうとする場合、もはや従業員としてやっていくことができないような客観的証拠があり、会社として更正の機会を充分に与えた上でのやむない措置でなければ解雇は無効とされ、立証は相当困難である(=解雇しづらい)といえます。過去の判例によると、およそ以下のような事由で普通解雇が認められています。

解雇理由 普通解雇が有効となる条件 普通解雇が有効となる可能性
身体または精神の障害により、業務に従事できなくなった場合 従業員に回復の可能性があれば、会社は治療に相応の配慮、協力を行い、その上で職場復帰の見込みが立たない場合に解雇が認められます。
著しく労働能力が劣り、改善の見込みが無い場合 従業員の能力不足を証明する客観的証拠があることやパフォーマンス改善のためのトレーニングや配置転換など、相当の配慮を尽くし、なお本人に改善の意欲が見られないような場合に解雇が認められます。
契約書に明示された能力、経験、スキルが明確に欠けている場合 労働契約に定められた条件が具体的であるほど、債務不履行による解雇が認められやすくなります。中途採用の専門職など専門性を前提として採用された従業員は解雇が認められやすく、新卒一括採用などであれば解雇を回避することが前提となります。 ○(△)
求められた成績(ノルマ)を挙げることができなかった場合 労働契約に定められた条件が具体的であるほど、債務不履行による解雇が認められやすくなります。求められた成績の妥当性や周囲からの支援、トレーニングの実施などがあったかも問題となります。
上司の指導や業務命令に従わず、業務遂行に支障がある場合 上司の指導や命令が職務上必要であり、かつ正当であることが前提となります。繰り返し指導や注意を受け、懲戒処分などを実施し、なお改善の見込みがないようであれば解雇が認められます。
他の従業員を無視するような態度をとり続け、業務遂行に支障がある場合(協調性の欠如) 職務上必要なコミュニケーションを怠っている場合に、繰り返し指導や注意を受け、懲戒処分などを実施し、なお改善の見込みがないようであれば解雇が認められます。
会社内において明らかに一党一宗に偏した政治及び宗教活動を行い、業務遂行に支障がある場合 従業員が会社の許可を得ず、社内で政治または宗教活動を行う場合において、繰り返し指導や注意を受け、懲戒処分などを実施し、なお改善の見込みがないようであれば解雇が認められます。
就業規則その他諸規程の定めに違反し、改悛の情がない場合 就業規則などに定める服務規程に違反する場合において、繰り返し指導や注意を受け、懲戒処分などを実施し、なお改善の見込みがないようであれば解雇が認められます。
試用期間終了時の本採用拒否 労働契約または就業規則に試用期間の定めがある場合において、従業員としての資質に欠けることが客観的に明らかであり、その理由が相当であれば解雇が認められます。
会社が経営規模の縮小を余儀なくされ、雇用を続行できない場合 下記、整理解雇4要件(要素)によります。
③ 整理解雇が有効となる要件とは?

整理解雇とは普通解雇の一種で、会社が事業を継続するにあたって経営の合理化が必要とされ、そのために人員削減を行うことをいいます。 本来、会社は「経営権」により社員を自由に解雇できるものとされていますが、それは社員の側からすると、自分に責任がないのにかかわらず、一方的に生計維持の手段である雇用を奪われてしまうことになります。 そのため、裁判などで整理解雇が有効と認められるには、以下の通り、過去の判例で確立された四つの要件(要素)に沿ったものとしなければなりません。 なお、この要件は近年の裁判では必ずしもすべてを満たす必要があるというわけではなく、人員整理に至った事情を総合して解釈されることもあります。

人員削減の
必要性
まず、整理解雇を行うべき相当の経営上の必要性がなければならないとされます。最も厳格な解釈によると経営上の必要性とは、会社が経営の危機に瀕しているために、人員削減が必要となっているということになりますが、近年では企業の「経営権」が尊重され、経営悪化の予防線としての必要性や、組織変更によるポスト不足による必要性が認められる場合もあります。
解雇回避努力 つぎに、整理解雇を回避する方向で経営努力をしなければならないとされます。具体的には、残業削減、役員報酬の削減、配置転換・関連会社への出向、新卒採用の停止、パート・アルバイトの雇い止め、一時休業、希望退職者の募集などが解雇を回避するための施策とされ、早い段階から整理解雇を行うことは認められません。ただし、人員削減が必要となった背景との関連により、たとえば、経営悪化の予防線としての必要性や、組織変更によるポスト不足による必要性が認められた場合には、回避努力に関してはそれほど問題にはならないものと思われます。
人選の合理性 客観的かつ合理的な基準で恣意によらず被解雇者を選定することが求められます。一般的には、業務に必要な資格の有無による判断、出欠勤や遅刻の状況による判断、部門の閉鎖によりその部門の社員を解雇する場合などは、客観性や合理性があると認められやすい傾向にあります。
手続きの妥当性 整理解雇を行う際の「手続き」として、労働組合などに対し、整理解雇に踏みきらざるをえない事情、それまでに取ってきた対策、対象者の選定基準、整理解雇の進め方、その後の見通しなどに関して、十分な説明を行い、協議することが求められます。この手続きを無視した場合、整理解雇四要件の他の3つに沿ったものであったとしても、裁判などで解雇は無効であると判断される可能性が高くなってしまいます。

2.解雇の際に行うべき手続きと、とくに解雇が制限・禁止される条件とは?

① 解雇予告もしくは解雇予告手当の支払いがなければ解雇は成立しない

労働基準法第20条により、会社が従業員を解雇しようとする場合には、少なくともその30日前に予告をしなければならないことが条件とされています。ただし、この予告に変えて予告期間を短縮しようとする日数分の解雇予告手当を支払うことで、その日数分の予告期間を短縮し、解雇日を繰り上げることができます。解雇予告もしくは解雇予告手当の支払が行われていない解雇は、少なくとも解雇の通知後30日を経過するか、所定の解雇予告手当の支払がなされるまでは無効とされる(旧労働省労働基準局の行政通達による)ため、解雇予告期間を短縮しようとするのであれば、解雇予告手当は解雇日以前に支払う必要があります。解雇予告手当が解雇日以降の給与支払日に支払われるケースもしばしば見られますが、これは誤りでして、実は、解雇の通知後30日を経過するか、給与支払日に解雇予告手当が支払われて、初めて労働基準法上の制約をクリアし、解雇が成立していたということになります。

② とくに解雇が禁止されている期間および、解雇の理由とは?

労働基準法により、以下の期間は解雇を行うことが制限されており、天災地変その他やむを得ない事由により事業の継続が不可能なことにつき、行政官庁の認定を受けた場合以外は解雇をおこなうことができません(実質ほぼ不可能です)。
・従業員が業務上のケガや病気(労災事故)によって休業する期間および復帰後の30日間
・従業員が産前産後休業を行う期間およびその後30日間

また、各法律により、以下の理由により解雇を行うことはできません。
・従業員が会社の法令違反を申告したこと
・従業員が年次有給休暇を取得したこと
・従業員が労働組合の組合員であること、または労働組合の正当な行為をしたこと
・従業員が育児休業、介護休業の申出をし、または育児休業、介護休業を行ったこと
・女性従業員が結婚し、妊娠し、又は出産したこと
・従業員の国籍、信条、社会的身分
・従業員が女性であること

 

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